【ひょうたん池・長七ノ頭】2300メートル△ナシ(穂高岳) 単独行

平成2188日(小雨後晴れ)

平湯5:45〜5:55=上高地バスターミナル6:30−明神7:10〜7:30−明神
橋―信州大学施設登山口7:40−下宮川谷遡行―沢の横断点マーク8:30−下宮川谷横断
9:15−本来のルート出合9:50−宮川のコル(一本松地点)11:00―遭難者レリー
フ前11:.10―ひょうたん池12:05〜12:30−宮川のコル13:00―信州大学
登山口14:30〜14:45−明神分岐15:00−上高地15:50〜16:00−平湯
16:30〜17:00

昨年の岐阜支部夏季山行で霞沢岳の翌日この「ひょうたん池」を計画したが、悪天候の為断
念し以来のリベンジの日、しかし天気予報とは裏腹に小雨模様の中、気が重い下呂からの出発
になった。

 平湯からタクシー(6000円)で上高地まで入る。今年は雨の日が多く増水した梓川の流れが
何時もより速い。一旦止んでいた雨が明神に着くあたりから再び小雨模様になる。登山口から
最初藪漕ぎだというのにこれでは最悪のコンデションだ。明神橋を渡って梓川右岸を
50メート
ル行ったところを左に入ると信州大学の施設が有る。登山口はその建物の左手奥に朽ちかけた
橋が架かっているので、ここから入る。橋は滑りやすいので用心の為、はって渡る。その先笹
薮は薄く腰までだが、だだっぴろい笹薮でいきなりルートファインテングだ。300mも進む
と下宮川の右岸の渕を遡上するようになるのでいくらか藪からは解放される。幸いにも雨が止
んで暑苦しいカッパからタンパンになる。

川の渕は崩れやすい石ころ道になっているので細心の注意をして上がってゆく。間もなく谷
の対岸に有る大きな岩にペンキで赤丸がうってあり、マーキングも有る。ここが問題の標高1
700m付近の右折地点である。しかし頭の中では分かっていながら谷をそのまま直進してし
まった。結局1850m付近で対岸に取り付き藪を漕いで本来のルートに出た。GPSが無け
れば戻らなければならず大きなロスをするところであった。

1944m地点を右に見ながら、やがて大きな河原状の広場の宮川のコルに着く。ここには
中央に大きな一本松が立っておりまたとない目印になる。(この松は長七ノコルからも確認で
きた)ここから目指すひょうたん池まで一時間の距離。はるか前方右手に長七ノ頭が見え、
そのコルにヒョウタン池は有る。ここで本ルートは右に入り一旦下って上り返すわけだが、疑
問に思いながらもここを直進して前方の明神の岩峰手前まで登ってしまった。標高にして2,
050m辺りで引き返したが、一時間位のロスをしてしまった。一旦下って上り返すと右手の
壁に昭和42年に22歳で亡くなったという青年の慰霊のプレートが父親によって埋め込まれ
ていた。その脇を抜けかすかな踏み跡を右へ右へと進み前方の長七ノコルを目指す。もうここ
まで来れば目的地はぐんぐんと近くなる。左に明神の岩峰、右に長七ノ頭を見ながら再び高度
を上げ、ハイマツが出てくれば綺麗に済んだ、その名の通りヒョウタンの格好をした池が現れ
る。池に写ったハイマツやダケカンバ、そしてその池を流れる夏の雲が嬉しかった。頭上には
人を寄せ付けない明神の岩山が、眼下には梓川越しに明神や徳沢が見える、徳本峠や六百山な
ども遠望できた。またコルからは茶臼ノ頭の先に奥又白池方面の尾根筋が確認出来懐かしかっ
た。
なお、近くに二つのテント場が有ったことには驚いた。
 下りは往路を行き、登山口まで二時間で下りたが、宮川のコル(一本松)から下宮川出合ま
での支沢の意外に長かったこと。その辺りの登りは別ルートで登ったので分からなかったのだ
が、これが、かえって不幸中の幸いだったのかもしれないと思った。

 戻った、上高地には登山者や家族ずれなどが行きかう喧騒の世界があった。 【藤井法道記】

09.8.8ひょうたん池 09.8.8 レリーフ