春季現地小集会
瓢ヶ岳(1162.6m 三等三角点)〜片知山(966.1m 三等三角点)
3月に下見に行った時は標高220mの口板神社から登り、1011mの奥美濃林道登山口へ下りた。両登山口の標高差は実に790m、逆コースにすれば下りの多い楽な山行になるのではと思い今回のルートを企画した。
5月8日7時50分武芸川町の道の駅「むげ川」に9人が集合。遠路来てくださった方もおられてうれしい。お天気はよく雨の心配はなさそう。車を連ねて大矢田トンネルを抜け板取川を渡り片知川をさかのぼる。口板神社で1人を加え10人が3台の車に乗り合わせて登山口を目指した。郡上市との境の峠に駐車し、奥美濃林道登山口を8時50分に出発。「今日は山下りだ」と誰かが言う。仰せのとおり。瓢ヶ岳との標高差は150mの最短コース、階段状のゆったりした登山道である。登るにつれてカタクリが出現。うす曇りのため花弁は半開きだが花は大ぶりでさっそくカメラマンが張り付く。タムシバ、ミツバツツジも咲いていて、山のまだ早春の気配を楽しみながら予想より早く45分で瓢ヶ岳に着いた。遠望はきかないが高賀山まではよく見える。事務局長は居合わせた登山者に日本山岳会の入会案内を配布していて、さすが心がけが違うと感心した。
ここからはひたすら南下の縦走ルートとなり、骨ヶ平までいったん下って1086mの南岳へ登り返す。このあたりまでカタクリは道の両脇を彩ってくれた。南岳は小さな山名板があるだけの小ピークで、樹林越しに今淵ヶ岳から矢坪ヶ岳への稜線を見ながら小休止。少し下って美並ゴルフ場への道を左へ分けたあたりからササは背丈ほどの高さとなり足元の段差が見えず歩きにくい。片知山へ縦走する人は少ないのだろうか。しばらくするとササは膝くらいの高さになり細いけれど明瞭な道が続く。アカヤシオやアセビの花を見ながらスギの植林地やちょっとした岩場を抜けアップダウンを繰り返す。片知山を目前にして50mを下るころには「なかなか着かんなー」の声が出始めた。11時45分片知山に到着。今日2個目の三等三角点にタッチして1時間の昼食タイムにする。
山頂から稜線を少し下った所で右下に岩屋観音堂の屋根が見える。10mくらいの巨岩の下に円空作十一面観音像のお堂があるが鍵がかかっていて3月の例祭しか拝めないらしい。ここから下には点々と千手観音のような石仏があり、お顔は円空仏に似てふっくらとほほ笑んでいるようだ。微妙に表情が違い、530mの急な下りも一体一体ながめていると疲れもやわらぐ。踏ん張る力がなくなってきたころなので、休みながらゆっくり神底谷まで降りスギの植林地を抜けて口板山の集落を下る。14時35分口板神社へ着いて解散した。小人数であったため点呼を取る必要もなく、なぜか昭和21年生まれの人が5人もいて和気あいあいの楽しい山行だった。 [久野菊子記]
[日 時] 平成23年5月8日(日)
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