11年度岐阜支部海外山行
  
カナデイアンロッキーライトハイキング

 2011.7.20〜27日  参加者;8名      企画;ウェック・トレック (稲村氏)
 
7月20日雨の後曇り
 成田→カルガリー 9時間のフライト (時差15時間 )現地時間10:40着→レークルーズ13:00着

7月21日
曇り時々雨
 レークルイーズ9:00出発  日本人女性のガイド兼ドライバーでカナダに来て16年になる。
今回は5日間案内頂く事になった。此のガイド会社はバンフに有り、20人程だが1人のカナダ人を除いて全て日本人との事、本来は30人居たが観光客の激減で10人リストラされましたとの事。コロンビア氷原に向かうハイウエイの途中でビックホーンシープ(オス)の集団がハイウエーに出て来たり、草を食むクロクマを発見し大騒ぎ、動物たちは車を恐れずのんびりした表情でゆっくり山の中へ消えて行った。その間5分ほど、左手に氷河から流れてくる渓谷を見ながら車はジクザクに登り、峠を越した辺りで本日の第一目的地のコロンビア氷原のヒュッテヘ着く。向かい側に雨とガスが出ているが氷河の先端から岩山の頂まで見える。雨のため大氷原には入らず大きなヒュッテでトイレと買い物を済ませ来た道路を折り返す。又も先程見た近くの地点でクロクマ1頭と遭遇、ゆっくり草を食みながら再び山中へ。
 次はペイトー湖(カナデアンロッキーの有数の湖)パーキングに駐車してゆっくり20分程登った岩山から眼下に見下ろすペイトー湖、コバルトブルーの湖面は陽の当たる所と雲の影に成り幾重にも変わった色を楽しましてくれた。
 次はボロ湖に寄り湖畔を1時間ほど歩き氷河を頂く山と花と湖面を眺めての散策、湖面には赤いカヌーが水澄ましの様に滑って行く、何ともロマンチックでした。(ボロとはインデアンが昔、柳の木で作った弓の意
 
7月22日 曇り時々雨
 今日も天気は今一で有るがレイクルイーズ周辺のヨーホ国立公園にあるエメラルド湖から展望の出来る標高2210mまでのハイク、モミやカラマツの木立の中、ゆっくりした登り坂を歩くが結構蒸し暑く時々小雨が降り展望は今一だった。途中、4頭の馬に乗った子供たちとすれ違う、岩の上でマーモットが警戒音を発して此方を見て居た。小雨が降り出したので展望地でランチの予定で有ったが記念写眞を撮り、下山に掛る。正面に3464mのM・ビクトリア、氷河の解けたブルー色に輝く湖面は驚くばかり、頂上付近はガスがかかりはっきり見えない。正面には蜂の巣に似たリトル・ビーハイブ(2270m)を眺め、その下に有るレイク・アグネスを通り下山した。
 湖畔には1000人を収容する立派な「シャトレ―・レイク・ルイーズ」ホテルが目を引く、昼食は持参したランチを此のホテルの3階のフロアーで 取る。此のホテルに泊まったと言う日本人の夫婦にホテルの前で会い聞いたら1泊2万円位との事。(5つ星)
 昼食後モレーン湖へ向かう、車で30分位走ってモレーン湖の駐車場へ、夏休みなのか満車の状態で賑わっていた。車を降りて10分位でモレーン湖の展望台へ、カナダの20ドル紙幣に採用されているとの事。
   
7月23日 曇り時々雨(小雪)
  サンシャインメドウズへハイキング スキー場のパーキングで車を降り、専用のシャトルバス(黄色のスクールバスの中古)に乗り換える。未舗装の急な坂道を20分程ゆっくり登る。
途中大きなシカが斜面を横切って行った。
 バスはロッチまで、此処は標高2,220m此処より小雨の中、雨具を付けてサンシャインスキー場の作業道をゆっくり登る。途中カナダのトレッカーが次々と追い越して行く、見ると年齢は若く、コンパスが違うわと誰かが言っていた。20分程歩くと今度は雪交じりに成り、先を心配したが直ぐ止んで呉れる。1.2km先で大陸分水嶺を越す。此処から一本道となり所々にモミの木のサークルが有り寒い高冷地で木が育っのは此のサークルがお互いに寄りあって生き残れると説明された。暫く広いなだらかな丘を越してゆくとロック・アイル・レイクに着く、天気が良ければ最高の展望地だが生憎曇っており時折小雨の中では止むえない。此のレイクの上に更に素晴らしい展望台が有ると聞いたが割愛し暫く下るとトイレの有る三差路が有り、右回りに進む間もなくグレスリー・レイクで有る。まさか熊が出るのでわとドキドキしたが何も出なかった。
淵を通り少し上がった所がシンプソン展望台、下を見るとモミの大森林帯で展望台付近にはまだ雪が残っていた。又黄色のカタクリが群生していた。此処より周遊の折り返しの感じで来た時に通った三差路に出て、木の階段を登り来た道をすたこら歩きロッジに戻る。昼食(各自持参の弁当)売店で御土産等物色しシャトルバスで道路を下る。
 本日の行動;距離約8km、高低差150m 時間3時間半

7月24日 晴れ時々曇り
 バンフの街から移動。バンフの街で一番の絶景と言われるバンフ通りの南端に有る公園管理事務所に寄る。此の庭から見たレストランやお土産店が並ぶバンフ通りの先にはバンフの街を見下ろしている感じのカスケード山(2,998m)と公園の花がきれいだった。
 今日はスタンレー・グレーシャーへのハイキング、途中カラマツやモミの森林の中からビックホーン・シープの群れがハイウエーに出て来た。多分オスばかり5,6頭の群れだった。
 パーキングに着き久し振りに太陽がまぶしいハイキング、橋を渡り直ぐゆっくりした登山道ジクザクに登って行く、ここは山火事で有名な所、見渡す限り森林火災の焼け焦げた立ち枯れの中を歩く、40年ほど前と2003年には40日間燃え続け見渡す限り渓谷を挟んで焼けている。
 消火活動は軍隊まで出て行ったが防ぐ事は出来なかった。森林に巾60mの防火帯を作り火の勢いを止めたとの事。自然の力はすごいもので焼けた跡に先ずヤナギランが繁茂し、自然に新しい木が芽を拭き、少しつつ森林が再生されてゆく様を見て登る。次の川を渡る丸木橋の木陰で昼食、更に少し急登を登り詰めた所が氷河展望地で我々は此処まで、なんとなく涸沢のカールを思わせるような氷河のカールで木はなく荒涼とした岩場でモーレーンと呼ばれる氷河の浸食で出来た地形で印象的でした。 今日の行動は標高差380m4時間少々のトレッキングだった。
 その後途中のレストランでビールと中華料理を頂きカナナスキスのG8の行われたホテルに
着く、一部3階建てだがやたら横長のホテルで絨毯の廊下を100m程歩き部屋に着いた。 カナナスキスという名称は1850年頃この地を訪れたイギリス人の探検家が命名した。又頭に斧が刺さったまま勇敢に戦った先住民でキネアキスと言う名前が由来である。

7月25日 晴れ時々曇り
 カナナスキスハイウエーで一路ターミガン・サークへ(ターミガンとは雷鳥の事)途中コヨーテの親子が道路の直ぐ上にのんびり座っていた(シベリアンハスキーの色違いに見えた)車をバックしても逃げようともせず車慣れしている感じ、途中ダム湖と言われる綺麗な島の有る氷河湖を見る。
 その後本日の本命ターミガン・サークへ(ターミガンとは雷鳥の事、サークは氷河の浸食で削り取られた地形)パーキングについて身仕度しているとカナダ人20人程の女性ハイカーが合唱しながら向かっていった。我々もその後を追うように出発。一度ハイウエーを横切り森林帯の中へ30分程登ると開け、前方にカール地形が見えて来る。更に登ると真っ赤なインデアンペイントブラシや黄色カタクリが群生していた。又地リスの掘った穴も沢山あり更にそれを引き掻くように起こしてあるので聞いたらグリスリーが地リスを食べるため掘った跡だと説明あり。先行した女性の一行はバラバラになり休んだり食事をしていた。
 ここでも結構なハイカーが来ていた。我々はカールの折り返し地点まで行き昼食を取り下山する。
 (今日の行程は2時間半、出発点が2,205m、折り返し点が2,415m 標高差 210m)
 帰路シカの群れがハイウエーで道路の表面をやたらと舐めて居た。(塩気が有るとの事)又少し走ったところでヘラシカのメスが路端の溜まり水を飲んでいたが我々の車が近くに止まっても逃げようとしなかった。

7月26日 曇りのち雨
 ハイウエーを一路カルガリー空港へ往路で見たオリンピックのジャンプ台やボップスレーの滑走路も雨と霧で隠れていた。2時間ほどで空港に着き、楽しかった花のカナデアンロッキーの旅もここで幕を閉じた。

7月27日 暑い成田に着き涼しかったカナダに今一度戻りたい心境でした
      機会が有ったら今度は秋の旅をして見たい
                                           (記録・写真;中島)

11.7 カナダ・ペイトー湖 素晴らしい湖面の色は感激でした
11.7 カナダのダム湖
11.7.22 カナダを代表するモレーン湖をバックに参加者一同 (気温15度位)
11.7.25 黄色のカタクリ(カナダにて)
11.7.23 インデアンペイントブラシ (カナダにて)

カナディアンロッキーの旅

整った雄大な自然の中で過ごした5日間

一度は行ってみたかったカナディアンロッキーの夢がついに実現した。ユネスコ世界遺産にも登録されている4つの国立公園すべてに、足を踏み入れることができたことは、何よりも嬉しかった。今でもあの大自然が鮮明に浮かんでくる。毎日ハイキングに出かけ、山、氷河、湖、花、動物を眺め 至福の時を過ごした。

天候は毎日が晴れとはいかず、あられ雪なども体験した。山脈のあちこちに氷河が見られ、このロッキーの中では人間なんて本当にちっぽけなものに見えた。氷河から流れでた水がたまった湖の色は、エメラルドグリーンで見事に美しく歓声をあげた。2時間かけて上った山の上から見た3つの湖の色がそれぞれ違っていたところがあり、とても印象的である。

特に花は、どこに行っても豊富で飽きることはなかった。今年は16年ぶりの大雪に見舞われたそうで、咲くのが遅かった黄色のカタクリの花があちこちで見られたのがラッキーだった。その他ヤナギラン、アツモリソウ、ムカシヨモギ、インディアンペイントブラシ、コケマンテマ、ウサギキク、ワスレナグサ、ベンケイソウ・・ああ 数限りない花々。まさに花園である。

また 日本でも猿、猪、熊、鹿、うさぎなどに出会うことがあるが、カナディアンでもいろいろな動物に出会えた。ムース、ビックホーンシープ、コヨウティ、ブラックベア、ナキウサギ、地リスなどひょっこりと姿を見せて潤いを与えてくれた。何か出てこないか皆で目を凝らしたのも楽しかった。

8人の仲間のうち最高齢の0さんは30年ほど前アサバスカ山(3493m)に来たそうで、その頃ホテルはなく、簡易宿泊所で自炊したり、又テント生活もしたそうである。その頃は、お店もあまりなく、今の変わりようにびっくりされていた。特にバンフの町はしゃれたきれいなお店が立ち並び、ホテルも新しくログハウス風できれいだった。最後に訪れたカナナスキスは、リゾート地で小泉元首相がサミットに出席された時滞在されたホテルに泊まった。日本の国旗が玄関に立っていた。プールもあり皆で泳いだことはいい思い出である。

 又、やはり30年ほど前に仕事で訪れたというKさんはなつかしさで感激の涙が出てきたとのことであった。あとの6人は皆初めてのカナディアンで、全員が口をそろえて本当に来てよかったという感想である。年齢差のある8人であったが和気あいあいの8日間であった。

 気になったのは日本人にあまりあわなかった事である。特に3月11日以降は訪れる人が少なくなったとは、世話をしてくださった日本人ガイドさんのお話。「頑張れ 日本!!」という言葉が出てくる。カナダやアメリカの人たちは勿論だが、中国、韓国の人たちによく出会った。景気が左右しているのかなと思った。

 また夢が一つ実現した。 明日の活力にしたい。          藤田 純江