平成23年度北アルプス夏期山行【奥穂高岳】3,190メートル△ナシ(穂高岳)

平成23828日 岐阜6.00=岐阜各務ヶ原IC=清見IC=高山=平湯8.30=上高地
9.15
−山研9.3011.10−明神12.0012.30−徳沢13.3013.45−横尾山荘14.50泊まり

29日 泊地6.10−横尾谷吊り橋7.508.10−涸沢ヒュッテ9.1510.10−涸沢小屋−
ザイテングラート−穂高岳山荘13.1013.20−奥穂高岳山頂14.1014.50−穂高岳山荘
15.30泊まり

30日 泊地6.35−荷継小屋跡8.509.10−白出沢出合10.1510.45−白出小屋跡11.
40
12.20−新穂高温泉13.3014.55=平湯15.3016.15=高山=清見IC=岐阜18.10

[参加者] 藤井法・白木貞・岡田清・中島真・加藤義・神山敬・竹中佳・久野菊・長屋
 桂・白木し・杉山美・林靖・大平幸、その他 岐阜医療科学大学医療チーム3名・山楽 部学生4名  合計参加者20

今年の暑さは相変わらずだが、お盆以降梅雨を思わせる生憎の空模様が続き何よりも心配したが、結果は我々が山に入っていた三日間に限ってこれ以上ない好天に恵まれた。
そして岐阜医療科学大学山楽部学生さん初め医療スタッフの皆さんなどいつもになく若いメンバーと登ることが出来、心身ともに元気づけられリフレッシュさせてもらうことが出来た。
 また、K会員の山岳医療研究の一端ということで三回の採血・オキシメーターによる酸素飽和度・肺活量の検査などを行い全員の協力を受けた。
K会員の勧めもあって医療チーム3名の他、山楽部の学生さんなどがJACへ新たに入会
することになるなど今回の夏季山行では多くの収穫が有った。

*一日目、参加者の内11名が岐阜県庁前に集合、分乗し3台で6時出発、平湯から予約し
たタクシーで9時過ぎに上高地へ入る。8月末ということも有るが今年は天気が悪いうえに
観光バスの乗入が出来なくなったことも有って人影の少なさに驚いた。
JACの山研に立ち寄り、K会員始め医療チームと落ち合い一回目の検査を行って横尾に向け梓川の左岸を遡上。途中、明神で昼食を済ませ徳沢から今宵の宿の横尾山荘に3時前に着く。入浴を済ませ前穂や明神に沈む夕焼けや屏風の頭が脳裏に焼け付いた。

*二日目、簡単な注意点などを話し、横尾橋を渡り穂高岳山荘めざし標高差1450mを
スタートした。最初30分余りは水平歩道が続くが徐々に上りになり二時間前くらいで横尾谷を左岸から右岸に吊り橋で渡る。ここで少々長くなった隊の立て直しを行い大休止。
この辺りから下りの登山者とのすれ違いも多くなり、やや急になった登りに噴き出す汗を
気にしながら登って行く。右手に横尾尾根が横一線に見え、正面はるか奥に奥穂や穂高岳
山荘が見えてくればやがて涸沢ということになる。
涸沢ヒュッテの休憩地で先行してテント泊の医療大学の学生4名と合流し、早めの昼食タイムを楽しんだ。ここで学生さんが減量に協力してほしいと差し出してくれたお餅が美味しかった。
 一時間の休憩後、涸沢小屋経由で標高差740mのザイテングラードを一気に登った。
中間点より上部に急峻な岩場などが有り油断できないルートに緊張するが、一歩一歩慎重
にクリアーしていく。

 横尾をスタートして7時間で穂高岳山荘に到着。受付を済ませ身軽になって奥穂山頂を
往復した。途中すっかり大きくなったライチョウの雛3匹を連れた親子に遭遇、カメラ
に収めることが出来た。
 山頂に三角点が無いのが淋しいが祠に参拝、全員写真を撮ってしばし至福の時を過ごした。目の前のジャンダルム・前穂、遠くに北アルプスの峰々、眼下に涸沢・上高地などなど好天ならではの時間を忘れさせてくれた。
また、小屋からは夕日に照らされたジャンダルムや笠ケ岳、はるか遠くの白山などが脳裏
に焼け付いた。
二回目の採血などを行い、やっとビールのご褒美に有りついた。
穂高岳山荘は8月も終わり
とあって登山者も少なく、部屋の「立山」は最高38名定員に16名のゆったりでゆっくり休めた。

*三日目は標高差1, 900mの白出沢ルートを一気に下ることになる
特に荷継小屋跡までは大きな岩が連続する不明瞭なルートとその先、白出沢の出合までは
急峻なルートになっているので細心の注意が必要となる。
 総勢20名ということも有るが、それぞれ体力差も有るので絶えず後方を確認しながら早めの休憩を取って下った。
 小屋を出て四時間弱で白出沢の出合いに着いたので大休止を取って隊を立て直した。
ここから白出小屋跡までは一時間位、もう危険なところは無くルートもしっかりしている。小屋跡で昼食を済ませ、よろよろになった足を引きずりながら新穂高温泉に着いた。
三回目の採血を行い、バス停裏の中崎山荘で入浴し15時前のバスで平湯に戻った。
参加者20名全員、怪我も無く元気にそれぞれの家路についた。
                                     藤井法道 記  

[感想文]
 今回の山行にご同行させていただきありがとうございました。
8/28〜30の穂高岳登山は、天候にも恵まれ素晴らしい登山となりました。1日目は、上高地から涸沢まで行きテント泊。夜も晴れて星空も見ることができました。2日目に日本山岳会岐阜支部の皆さんと合流し、穂高岳山荘まであがり、希望者だけ奥穂高岳山頂に。残念ながらガスの中を進み、山頂でも晴れることはなかったのですが、ライチョウの親子に手の届く距離で会えたことは貴重な経験となりました。3日目、朝日と雲海を眺めてから、白出沢を下り、温泉に入り、自分にとって初めての穂高登山は終わりました。今回の登山は、先輩の体力とタフさを感じ、ベテランの方々の山の楽しみ方や登り方の話を聞き、勉強させていただきました。これから機会があれば多くの山に行き、その魅力を感じていきたいと思えた山行でした。
                                    岐阜医療科学大学 1年鈴木哲朗(山楽部)


11.8.30 朝焼けの奥穂高と前穂  撮影:中島
11.8.29 奥穂の頂上で  撮影;藤井
  11.8.30 穂高岳山荘前で参加者   
11.8.29 奥穂の頂上で雷鳥の親子 8.29 涸沢街道を元気に登る
11.8.30 常念岳の上に出るご来光 11.8.29 涸沢より穂高のコルを望む
11.8.30 白出沢より笠ヶ岳 11.8.30 ジャンダルムの朝焼け
11.8.30 白出沢を下る 11.8.29 ザイデングラードの岩場に咲くイワキキョウ
11.8.30 白出沢出合いで一休み 11.8.28 山研にて採血等検査
11.8.30 奥穂の登り口 11.8.29 涸沢に咲く一輪の花