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 春期懇親山行

    山(1540.86 三等三角点) 
 今年度の春期懇親山行は、日本三大美林の中にあって「木曽富士」とも呼ばれている  木曽上松の卒塔婆山に決まった。上松の赤沢美林は良く知られているものの、谷一つ異なるこの山についての情報は以外に少なく、4月の雪解けを待って下見をし、更に前日最短時間で山頂往復が出来るようルート工作を実施した。
  事前に5kmにおよぶ林道歩きと藪こぎをクリアするため、木曽森林署に電話をして小川殿林道への車乗り入れの許可を得る交渉をしたが丁重に断られた。このため総会で、ここまでの経緯と時間短縮のため行なったルート工作の状況や荒天対策について説明し了承を得た。
 当日の早朝4時天候は曇。予定通り実施することにして当日参加される皆さんに周知し、 ホテルの配慮による早めの朝食で出発準備を整えてもらった。7:10早田支部長はじめ散策グループの皆さん方の見送りを受け「ねざめホテル」を出発。赤沢美林方面に約10km行った小川殿林道入り口のゲート前まで車で入り全員が集合した。
 ここで参加者をA,B,Cの3班に分けそれぞれ班長は鈴木さん、高木(基)さん、武田さん、先導を佐藤さん、最後尾のまとめを白木さんにお願いし、班毎に出発した。未舗装ながらよく手入れされた沢沿いの林道を、透明感あふれる清流と大樽と案内のある滝やトロ場など眺めながら、1時間余で予定のショートカット地点に到達した。
 ここまでは予定より早い時間で到着。この分なら以外に早く山頂に辿りつけそうでほっとした。ここから帰られる岡田さん、関本ご夫妻を残し、林道から左の小尾根までガレ場を登り羚防護柵のゲートを開け柵内に入った。最後尾の白木さんにゲート閉鎖を頼み、柵内を前日に取り付けたテープを目印に登り柵の最上部に到達。2m近い高さのあるこの防護柵に「あぶみ」をセットして乗り越えた。
 ここからブッシュ帯に突入したが、予想に反し以外に短い時間で再び林道に出る事が出来た。トップを歩く佐藤さんたちの切り開きのお蔭と感謝する事大であった。ここまで登れば後1時間位で山頂に立てると、皆元気で第2の防護柵へ向った。柵内はひのき苗の植林直後で笹が刈ってあり、傾斜はきついが歩き易かった。最初の下見では柵の右側に沿って藪こぎをしたため、時間と労力の消耗が大きかった。
 柵の最上部では再び「あぶみ」を使って乗り越え、下山も同ルートを通るため「あぶみ」は残しておいた。ここから先は残雪が無くなった。背丈を超える笹をひたすら掻き分け山頂を目指した。
 最後尾が山頂に着いた時には、先着組で早い人はもう飲食を始めていた。前
2回の下見で3時間かけても見つからなかった三角点はまだ発見されておらず、先着の皆さんからは「GPSのデーターからみてこの半径5m以内の地点に在るはずだ」と言われた。本格的な捜索は後から行なう事にして、全員揃ったところで登頂記念の万歳三唱の後昼食をとった。
 食事が終わってから思い思いの道具でこの山の経験のある西條副支部長の記憶を頼りに三角点を約1時間探したが見つからず、このためにまた来ようとあきらめて下山を開始した。先発が出発した後未練を残す藤田さんに「今日はあきらめましょう」と一緒に笹藪を少し下った時、突然山頂から歓声が聞こえてきた。

 思わず振りかえり何事かと尋ねると「発見、発見」と大声が返ってきた。直ぐUターンし山頂へ這い上がって見ると、三角点は西条副支部長から話のあったとおり二又の木の下で掘り出されていた。神山さんが殊勲の発見者で、なんとその場所は私が最初にザック置いた所だった。 この三角点を見つけるため2日にわたって這いずり回った苦労が一気に昇華して、感激で山中を駈け回りたい位の喜びを味わった。地表10cm下の凍った腐葉土の中から発見された三角点を囲み、改めて恒例の儀式を執り行い、記念写真を撮り皆で暫し至福の時を過し下山となったが、この時の写真における藤田さんの破顔一笑が全員の喜びの気持ちをよく表している。 先発隊に追いつくため下山の足を速め林道で全員が合流出来た。ここからの下りは登りに使ったショートカットを避け、標高1145mの林道分岐点に向け大きく迂回している林道を下ることにした。途中伐採小屋の上で小休止をした後は、休まずスタート地点の小川殿林道ゲートまで歩き通し、到着後人数を確認して解散した。

[山行責任者;13021 丹羽邦夫記]

 [日 時] 平成18423日(日)

 [場 所] 長野県木曽郡上松町

 [参加者] 井手尚子、今峰正利、岡田清美、岡田郁子、岡田謙吉、久野菊子

        小林省三、西條好迪、佐藤正雄、白木貞次、鈴木寛人、関本澄子

        関本俊雄、高木基揚、戸石二生、中島眞一、長屋桂子、丹羽邦夫

        藤井法道、藤田純江、堀 義博、松本 良、松本くに子、村田正春

        村橋嘉一郎、森本市郎、山口弘子、山本利伎子、池田真由美

        喜多 功、清水千枝子、武田幸男、西野禎志、若山暢子、神山敬三

        浅野勝義(会友)、高橋鈴子(guest)以上37(山行参加者)

[タイム] ねざめホテル710=小川殿林道入り口ゲート800―林道ショートカット

      地点915―林道上部1027―山頂1052(休憩昼食)先発組下山開始

      1107三角点発見11:37後発組下山開始1145―林道上部1207―作

      業小屋上部1256―小川殿林道ゲート1415(解散)

[地 図] 上松 1/50000)  王滝 1/25000)             以上

木曾・上松めざめホテルにて
06年4月22日 高木泰夫、村田さんに今西錦司賞
06.4.23 卒塔婆山の三角点発見者の神山さん(左) 06.4.23赤沢林道入り口より2時間歩く
06.4.23 林道からショートカット  06.4.23 卒塔婆山直下の奇岩

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