先日、JPN債権回収から支払督促を受けた方のご依頼をお受けし、代理人として督促異議を申し立てました。その後、債権回収会社は支払督促を取り下げてきました。どうして相手は実費をかけてまで申し立てた支払督促を取り下げたのでしょうか?
支払督促のメリットとデメリットを把握すると理解が出来ます。
《支払督促のメリットとデメリット》
支払督促のメリットとして、申立が簡易であり、印紙代が訴訟をする場合の半額で済みます。100万円の訴訟をする場合は1万円の印紙が必要なのに対し、支払督促は5000円の印紙で申し立てができます。
債務者が最後まで何の反応もしない場合はそのまま確定し、勝訴したと同様の効果が生じます。大量の小口債権の回収を手掛ける債権回収会社は有効な債権回収法のひとつとして捉えているでしょう。
デメリットとしては、債務者の住所地等において行わなければならないことです。今回の事例も岐阜簡裁で支払督促の申立がなされていました。そして、債務者から異議申立がなされると通常訴訟に移行してしまいます。
この場合、債務者の住所地の簡易裁判所まで相手は出頭しなければならなくなるでしょう。これは東京や大阪から出向いてきたら大変なコストがかかります。よって、支払督促を取り下げてきたのです。
《支払督促への対抗法》
支払督促のメリットとデメリットで述べた通り、債務者から異議を出されることが最大のデメリットです。そのまま通常訴訟に以降すると遠隔地から申立の裁判所まで出向いてこなければならないコストを考えると、相手は支払督促を取り下げてくる可能性があります。
取り下げ後は、相手と条件面で交渉をして和解契約を締結します。債権回収会社との多くの訴訟対応や交渉の経験がある当事務所の司法書士が支払督促の異議申し立てから、相手との交渉、和解契約まで行います。
支払督促の書類が裁判所からきたら経験豊富な当事務所までご相談ください。
《支払督促の流れ》
支払督促が申し立てられると,裁判所書記官がその内容を審査し,支払督促を発付します。しかし,相手方が異議を申し立てると,事件は,通常の訴訟手続で審理されることになります。相手方が異議を申し立てることのできる期間は,支払督促を受け取った日の翌日から数えて2週間です。
この期間内に相手方が異議を申し立てなかった場合には,申立人は,それから30日以内に仮執行宣言の申立てをすることができます。仮執行宣言の申立てをすると,裁判所書記官がその内容を審査し,支払督促に仮執行宣言を付します。仮執行宣言が付されると,直ちに強制執行を受けることがあります。
仮執行宣言の付された支払督促に対し,相手方が異議を申し立てた場合には,事件は,通常の訴訟手続で審理されることになります。
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本ページの記述は簡易裁判所代理関係業務の範囲であることを前提としており、訴訟代理や交渉業務などのご依頼は簡易裁判所の民事案件に限ります。簡易裁判所の民事案件の中でも消費者金融、信販会社、サービサーなどいわゆる業者事件の被告事案を前提とした記述をしています。