小麦粉
パスタの主原料は小麦粉。小麦粉といっても、生パスタを作るには、いくつかの種類を混ぜて使うのが一般的。中でも私たちが良く耳にするパスタ用の小麦粉が、デュラム・セモリナ粉です。
イタリア南部の乾燥パスタは、このデュラム・セモリナ粉だけで作られています。法律で、「乾燥パスタはデュラム・セモリナ粉100%でなくてはならない」と決められているほど重要なものなのです。
さて、生パスタの配合はというと、実はこれといった決まりはないのです。イタリアでも、各地方や各家庭によって使う粉はまちまちです。北部では軟質小麦の小麦粉(日本の家庭でよく使う小麦粉)、南部ではデュラム・セモリナ粉を多く用います。
では、小麦粉の配合が違うと何が変わるのでしょうか?一番大きな違いは食感です。薄力粉・中力粉・強力粉・デュラム・セモリナ粉から2〜3種類を選んで配合しますが、この順番で右寄りの粉を多くするほどコシが強くなります。デュラム・セモリナ粉100%で作ると、生地を練るのに相当な力が必要になってきます。(一度やってみましたが、手こねでは本気で無理でした。。。)
そのほかにも、風味と香りに違いがでてきます。特にデュラム・セモリナ粉は、他の粉にない風味を持っています。
実際にどのくらいのコシの強さにしたら良いかは、パスタのソースによって決めると良いと思います。ソースがオイル系のさらりとしたソースの場合、デュラム・セモリナ粉を多く使った腰の強いパスタ。クリーム系のこってりソースには、強力粉や中力粉を使った、ソースの良く絡むパスタが合います。
しかし一番重要なのは、自分の(食べる人の)好みに合わせるということ。実際に打ってみてお気に入りの配合を研究するのも面白いものです。
卵
生パスタを打つにあたって、生地の水分量を調節するのが卵です。おおよその目安として、粉100g(1人分)に対して全卵中1個を使います。パスタの用途によっては、水を使用したり黄身だけを使ったり、はたまた卵白だけを使ったりと様々ですが、基本の分量は変わらないので覚えておきたいところです。
卵は、できるだけ新鮮なものを用意するようにしてください。麺はなま物ですから、夏場には特に注意が必要です。
塩
塩は入れる製法と入れない製法があるようです。塩を入れる理由は、パスタにほのかな塩味を与える目的だと思いますが、実際のところは良くわかりません。どこかで麺の腰を出すためだと読んだ記憶がありますが、私には入れたものと入れないもののコシ違いはよくわかりませんでした。
塩を入れる場合は、必ず天然の海塩を使用します。これは製麺時にかかわらず、パスタ料理全てを通して言えます。天然海塩のような、ミネラルを多量に含んだ塩はそれ自体に旨みと甘味があり、料理の美味しさを決定付ける重要な要素となります。ここでは塩はほんの一つまみ入れます。
オリーブオイル
オリーブオイルは、生地の表面を滑らかにするために少量加えるのがよいと思われます。粉と卵だけで練った生地は表面が割れやすいので、製麺したときの舌触りが悪くなります。
麺のコシは、グルテンによって作られるもですが、オリーブオイルはこのグルテンのつながりを阻害する働きがあるようですので、入れすぎは禁物です。粉100gに対して小さじ1杯以下で十分です。
オリーブオイルの選択も、塩と同様に吟味を重ねる必要があります。製麺では、ほんの少々しか入れないので、味に大きく差は出ませんが、おそらく調理でも同じ物を使用するでしょうから、良いものを選びたいところです。
オリーブオイルといっても種類はたくさんあり、産地によっても味、香りが大きく違います。自分の好みに合ったオイルを見つけておきましょう。
一昔前では、EXバージンオイルといえば高級で手が出せないような代物でしたが、最近では需要が増えたためか、ピュアオイルと比べてそれほど値段の差がなくなってきているので、是非ともEXオリーブオイルを使用してください。